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nginx.conf

Nginx の主設定ファイル​

Nginx のすべての設定はここから始まります。ファイルのパスは /etc/nginx/nginx.conf です。

その階層構造は以下の通りです：

  • 全体レベル：サービス全体の設定を定義します。例えば、実行ユーザーやプロセスの数など。
  • イベントレベル：接続管理を担当します。例えば、最大並列接続数など。
  • HTTP レベル：HTTP 関連の設定を定義します。ログのフォーマット、Gzip 圧縮、仮想ホストの設定などが含まれます。
  • Server レベル：特定のウェブサイトのドメイン名、リスニングポート、SSL 設定などを定義します。
  • Location レベル：特定の URL パスにマッチし、リクエストの処理方法を指定します。

ですが、このままだと感覚がつかみにくいので、ファイルの内容を詳しく見ていきましょう。

/etc/nginx/nginx.conf
user www-data;
worker_processes auto;
pid /run/nginx.pid;
include /etc/nginx/modules-enabled/*.conf;

events {
	worker_connections 768;
	# multi_accept on;
}

http {

	##
	# Basic Settings
	##

	sendfile on;
	tcp_nopush on;
	types_hash_max_size 2048;
	# server_tokens off;

	# server_names_hash_bucket_size 64;
	# server_name_in_redirect off;

	include /etc/nginx/mime.types;
	default_type application/octet-stream;

	##
	# SSL Settings
	##

	ssl_protocols TLSv1 TLSv1.1 TLSv1.2 TLSv1.3; # Dropping SSLv3, ref: POODLE
	ssl_prefer_server_ciphers on;

	##
	# Logging Settings
	##

	access_log /var/log/nginx/access.log;
	error_log /var/log/nginx/error.log;

	##
	# Gzip Settings
	##

	gzip on;

	# gzip_vary on;
	# gzip_proxied any;
	# gzip_comp_level 6;
	# gzip_buffers 16 8k;
	# gzip_http_version 1.1;
	# gzip_types text/plain text/css application/json application/javascript text/xml application/xml application/xml+rss text/javascript;

	##
	# Virtual Host Configs
	##

	include /etc/nginx/conf.d/*.conf;
	include /etc/nginx/sites-enabled/*;
}


#mail {
#	# See sample authentication script at:
#	# http://wiki.nginx.org/ImapAuthenticateWithApachePhpScript
#
#	# auth_http localhost/auth.php;
#	# pop3_capabilities "TOP" "USER";
#	# imap_capabilities "IMAP4rev1" "UIDPLUS";
#
#	server {
#		listen     localhost:110;
#		protocol   pop3;
#		proxy      on;
#	}
#
#	server {
#		listen     localhost:143;
#		protocol   imap;
#		proxy      on;
#	}
#}

主設定ファイル：全体設定​

この部分では、Nginx サーバーの基本的な運用パラメータが定義されています。

user www-data;
worker_processes auto;
pid /run/nginx.pid;
include /etc/nginx/modules-enabled/*.conf;
  • user www-data;：
    • Nginx を実行するシステムユーザーを設定します。通常は www-data です。
  • worker_processes auto;：
    • ワーカープロセスの数を設定します。auto は自動的に調整されることを意味します。
    • 通常は CPU コアの数に基づいて決定され、最適なパフォーマンスを確保します。
  • pid /run/nginx.pid;：
    • Nginx プロセスの PID を保存するファイルの場所を指定します。システム管理者が Nginx プロセスを確認・制御する際に便利です。
  • include /etc/nginx/modules-enabled/*.conf;：
    • 追加の Nginx モジュールを読み込みます。これにより、modules-enabled/ ディレクトリ内でさまざまな機能のモジュール（例えば、HTTP/2 や stream モジュールなど）を有効にすることができます。

主設定ファイル：イベント処理設定​

この部分では、Nginx が接続やリクエストをどのように処理するかが決定されます。

events {
    worker_connections 768;
    # multi_accept on;
}
  • worker_connections 768;：
    • 各 worker_process が同時に処理できる最大接続数を設定します。例えば、worker_processes が 4 の場合、最大並列接続数は 4 × 768 = 3072 となります。
  • # multi_accept on; （コメントアウト）：
    • 有効にすると、Nginx は新しい接続を受けた際に複数のリクエストを同時に受け入れ、個別に処理するのではなく、効率的に高トラフィックなシナリオでパフォーマンスを向上させます。

主設定ファイル：HTTP サービス設定​

この部分では、HTTP に関連する設定が含まれており、すべての HTTP サービスに適用されます。

http {...}

ここは少し冗長なので、各部分をまとめておきます。興味がある方はさらに詳細を見てください。

  • HTTP 設定

    sendfile on;
    tcp_nopush on;
    types_hash_max_size 2048;
    # server_tokens off;

    これらの設定は、Nginx が HTTP 接続を処理する方法に影響を与えます。

    • sendfile on;：
      • sendfile() システムコールを有効にし、静的ファイルの転送を加速し、パフォーマンスを向上させます。
    • tcp_nopush on;：
      • Nginx ができるだけ一度に完全な HTTP 応答を送信し、ネットワーク効率を高めます。
    • types_hash_max_size 2048;：
      • MIME タイプのハッシュテーブルの最大サイズを設定し、mime.types 設定の解析効率に影響を与えます。
    • # server_tokens off; （コメントアウト）：
      • 有効にすると、Nginx はエラーページや HTTP 応答ヘッダーにバージョン情報を表示しなくなり、セキュリティを強化します。

  • MIME タイプ設定

    include /etc/nginx/mime.types;
    default_type application/octet-stream;
    • include /etc/nginx/mime.types;：
      • mime.types ファイルを読み込み、異なる種類のファイルの Content-Type 応答ヘッダーを設定します。
    • default_type application/octet-stream;：
      • ファイルタイプが識別できない場合のデフォルトの Content-Type を設定し、application/octet-stream を応答します。

  • SSL 設定

    ssl_protocols TLSv1 TLSv1.1 TLSv1.2 TLSv1.3; # Dropping SSLv3, ref: POODLE
    ssl_prefer_server_ciphers on;
    • ssl_protocols TLSv1 TLSv1.1 TLSv1.2 TLSv1.3;：
      • サポートされる SSL/TLS バージョンを定義し、POODLE 脆弱性を避けるために古い SSLv3 を無効にします。
    • ssl_prefer_server_ciphers on;：
      • サーバーが自分の暗号スイートを優先的に選択し、セキュリティを強化します。

  • ログ設定

    access_log /var/log/nginx/access.log;
    error_log /var/log/nginx/error.log;
    • access_log /var/log/nginx/access.log;：
      • すべての HTTP アクセスリクエストを記録し、ウェブサイトのトラフィックを監視します。
    • error_log /var/log/nginx/error.log;：
      • Nginx のエラーログを記録し、デバッグと問題診断に役立てます。

  • Gzip 圧縮設定

    gzip on;
    # gzip_vary on;
    # gzip_proxied any;
    # gzip_comp_level 6;
    # gzip_buffers 16 8k;
    # gzip_http_version 1.1;
    # gzip_types text/plain text/css application/json application/javascript text/xml application/xml application/xml+rss text/javascript;
    • gzip on;：
      • Gzip 圧縮を有効にし、ウェブページの転送効率を向上させ、トラフィックを削減します。
    • （コメントアウト部分）：
      • gzip_comp_level 6; で圧縮比率を調整できます。数値が高いほど圧縮効果が高くなりますが、CPU 負荷も増えます。
      • gzip_types ...：
        • Gzip 圧縮される MIME タイプ（CSS、JS、JSON など）を定義します。

  • 仮想ホスト設定

    include /etc/nginx/conf.d/*.conf;
    include /etc/nginx/sites-enabled/*;
    • include /etc/nginx/conf.d/*.conf;：
      • conf.d ディレクトリ内のすべての .conf ファイルを読み込み、通常はグローバルな設定を格納します。
    • include /etc/nginx/sites-enabled/*;：
      • sites-enabled 内のウェブサイト設定ファイルを読み込みます。各サイトの設定ファイルは通常 sites-available に格納され、シンボリックリンクを使って有効化されます。

主設定ファイル：メールプロキシ​

#mail {
#	server {
#		listen     localhost:110;
#		protocol   pop3;
#		proxy      on;
#	}
#	server {
#		listen     localhost:143;
#		protocol   imap;
#		proxy      on;
#	}
#}

この部分では、Nginx のメールプロキシ機能（POP3/IMAP）が定義されていますが、デフォルトではコメントアウトされており、有効になっていません。

デフォルトのファイル内容はこのようになっています。通常、最初はこのファイルを直接変更することはありません。これは Nginx のグローバル設定であり、sites-available および sites-enabled ディレクトリ内で個別のサイト設定ファイルを作成して、複数のサイトを管理します。

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